患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。

漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、太陽堂漢薬局での実際の症例を毎月御紹介致します。 患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。

(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【 頭痛 】と漢方症例報告

偏頭痛の発作で苦しむ女性 2003年9月

(昭和42年生、女性。No.2311)

病院や市販の薬では効かない偏頭痛でお困りの女性から相談を受けた。「20歳の頃から偏頭痛で苦しんでいる」そうです。

「特に便秘の時やお風呂に入った時に酷くなる」との事。「病院や市販の薬では効かない」そうである。「以前は3~4ヶ月に1回の割合で発作が起こっていた。現在は、2週間位前より毎日頭痛の発作が起こり堪えられない」と言われる。

問診と望診を行う。口渇なし、小便は少なく発汗量も少ない。眼瞼結膜は白く、舌苔なし、舌下静脈の怒張を認めるが、舌は湿潤しており陰証と思われる。

糸練功の結果は、頭痛が心の臓陰証0.5合4+。五志の憂(自律神経の異常)が膀胱の腑陽証3合3+。

心の臓に対して裏を温める煎じ薬。膀胱の腑に対して体温上昇・血流改善剤とミネラル豊富な粉剤の同時服用を選薬する。アクのある物・苦い食べ物、ビール・茄子・苦瓜・牛蒡などを止めるよう指導した。

15日後、心の臓4.5合、膀胱の腑6.5合に改善。「頭痛は全く無くなった」と言われる。

1ヵ月後、来局されなくなった。

1年後の7月、今度は咳が止まらないと相談に来られた。糸練功で診ると、心の臓陽証、典型的な気管支炎である。気管支炎の煎じ薬を選薬する。

15日後に咳が止まり、1ヶ月後、また来局されなくなった。

慢性病だから、中途で漢方治療を止めると再発すると話すのだが、気楽な患者さんである。でも気楽な患者さんほど治りも早い。

頭痛の激しさと背中の痛み 2015年3月

(1969生、女性。No.572)

健康141

太陽堂漢薬局で子宮内膜症性卵巣嚢胞(チョコレート嚢胞)の治療を行い、改善された方から頭痛のご相談を受けました。チョコレート嚢胞は、東洋医学では瘀血(古血)として捉え、瘀血を改善する漢方薬の服用を続ける事で改善する事が出来ます。

糸練功でお調べした所、頭痛に対しては裏寒の証を確認しました。この証は、腸を中心とした内臓の冷えが強い方の頭痛に多く見られる証になります。

食養生として身体を冷やす苦い物、アクの強い物(コーヒー、牛蒡、茄子、ゴーヤなど)を控えて、温める作用のある生姜・味噌を毎日の食事に取り入れる様お伝えしました。

身体を冷やし易い冬から漢方治療を始めましたが、漢方薬の服用を開始すると、段々と頭痛の強さや起きる頻度が少なくなり、服用半年後には生理前後に少し痛むことがある程度にまで改善しました。

また背中の痛みが気になるとの事でお調べした所、骨に原因がある反応がありましたので、頭痛の治療と平行して、骨に対して働く漢方薬もお出ししました。

背中の痛みは、当初夜中に目が覚める事もある位の痛みでしたが、服用開始半年程で殆ど気になる事がない状態にまで改善しました。

骨が原因の痛みは、痛みがある間は極力患部に負担を掛けない事が大切になります。

その後は再発防止を目的として漢方薬の服用を続け、頭痛、背部痛に対する漢方薬をそれぞれ卒業する事が出来ました。

胃が冷える事で起こってしまう頭痛 2017年6月

(2005年生、女性。No.6758)

健康103

小学校入学時頃から、目頭からコメカミに掛けてのガンガンとした頭痛で悩まれている女の子のお母様からご相談を受けた。家や学校でも痛みが出てしまい、鎮痛剤を常に携帯しているが、飲んでも効果が出ない事もあった。

痛みが出ている部分を糸練功にてお調べした所、「内臓の冷えから来る頭痛の証」を確認した。この女の子の場合、舌診では「湿で微白苔」の状態を確認しており、病態と証(体質)が一致している事が分かった。胃が冷える事により症状が出易くなる為、食養生では苦みやアクのある物を控え、身体を温める働きで発酵食品のお味噌を勧めた。

治療開始当初は、漢方薬の味に慣れず、オブラートに包み服用を続けられた。

2ヵ月経過し「しっかりと飲めていない」と言われていたが、症状は少しずつ良くなっている事を実感をされていた。

4~5ヵ月した頃「毎年、梅雨時期は頭痛が酷くなり学校を休む事が多かったが、今回の梅雨は元気に学校に行っていた」と喜ばれていた。

10ヵ月した頃には頭痛も大分改善された。更に、頭痛が起こり難い体質へと変わり、痛みのある時以外は漢方薬の服用もしなくなってしまった。

とても順調に改善が進んだ漢方治療だったが、頭痛が出る時以外は漢方薬を服用しないため十分な漢方治療ではなく、次第に頭痛の起こる頻度が増えてしまっていた。現在は漢方薬を再開し、以前と同じ証の治療を行い体質改善を進めている。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方治療歴」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。