患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。

漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、太陽堂漢薬局での実際の症例を毎月御紹介致します。 患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。

(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【 卵管閉塞・卵管狭窄 】と漢方症例報告

卵管狭窄による不妊症 2001年8月

(昭和37年生、女性。No.1948)

不妊症の相談を受けた。

相談時37歳の女性である。結婚して9年になるが妊娠しないとの事(不妊症治療)。病院での検査では卵管が狭く妊娠しないと診断を受けたそうである。その後、婦人科で治療を受けているが現在まで妊娠していないとの事。

患者さんは中肉中背、色白。糸練功でチェックすると、右中焦・脾の臓に6合Ⅲの異常が認められた。

当薬局では今まで卵管閉塞で妊娠不可能と言われた人を多く妊娠させている。この脾の異常は卵管閉塞や卵管に異常が有り妊娠しない人に共通の反応である。

異常ついでにご主人も調べてみるが、ご主人には不妊と成るような異常は認められなかった。奥さんの治療のみとする。

3月13日、卵管閉塞を改善する脾虚改善剤と、脾虚の原因となる駆瘀血剤を投与する。

4月14日、7合+(3)に改善。

6月12日、9合+(1)に改善。

6月25日、妊娠したとの連絡あり。この時点で6週目に入っているとの事。

糸練功で調べると、流産の気が出現している。流産予防と妊娠中毒症の予防の目的で、母体を守り子宮の収縮を防ぐ安胎薬を投与する。

その後、順調に無事出産となった。

いつも考えるのだが、漢方の内服治療で何故卵管閉塞等の器質的な異状による不妊症が改善するのか不思議である。

卵管狭窄-右卵管は閉塞 2014年9月

(昭和42年生、女性。No.2648)

病239

妊娠希望だが、右卵管は閉塞。左は卵管狭窄と診断され妊娠が厳しいと言われた女性からの相談を受けた。

病院の卵管検査では右は完全に塞がっており、左は辛うじて通っている状態だった。

糸練功にて確認した所、妊娠しやすい体質改善に血熱血虚証。卵管の詰まりに脾虚証。排卵や乳汁分泌に影響のある高プロラクチン血症に瘀血証の3箇所を確認した。合数が-0.2合ととても低く、患者さんはショックを受けていた。

食養生にて、野菜を多く摂り、日本食を中心にし、次世代を作るエネルギーになるお米を良く噛む様に伝え治療開始した。

多くの治療箇所に手を出すと金額も上がってしまう為、1箇所ずつの治療に専念し、お薬が減らせると次の治療をしていく形で進めていった。

漢方治療を開始して、1年半後に体外受精をするとの連絡を頂き、1週間後の検査に行った所、陽性反応を確認。安胎薬で流産を防止し奇形を防ぐ血虚証を確認し、お送りした。

血虚証は合数が0.9合と低い所にあった為、不安になられていたが、その低い合数の為、養生に気を付け生活して頂いた。

悪阻が酷く安胎薬を飲む事が辛い時は、「お腹にいる子供が一番大切」と体温より低い温度の水で飲むよう指導した。

その後も初めての妊娠に戸惑いや不安が多く、その度に相談され漢方薬の飲み方などを工夫し、無事出産に至った。

卵管閉塞を伴う二人目不妊症

(1975年生、女性 No.6224)

授乳中の婦人から、二人目不妊症の相談を受けた。詳しくお話しを聞いたところ、2歳の子供さんに夜間の授乳を続けている。

1年以上前から病院で不妊治療を行っているが、妊娠に至らない。第一子は不妊治療の休憩期間に自然妊娠している。4ヶ月前に受けた卵管造影検査では、右側の卵管が通っていなかった。

母乳を与えている間は、母乳を出すホルモン(プロラクチン)が分泌される。このホルモンが分泌されていると、FSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌を抑制して排卵を抑制する働きがある。出来るだけ早めの卒乳を促した。

  1. プロラクチンを正常にする漢方薬。
  2. 卵管閉塞の漢方薬。
  3. 妊娠しやすい体質を整える漢方薬。

を選薬した。右側の卵管に合わせて卵管閉塞の漢方薬を組んだ結果、左側の卵管も相乘してより通りやすい状態へと変化していった。

漢方治療開始から4ヶ月後、再び卵管造影の検査をしたところ、両卵管とも癒着はみられず綺麗に通っていた。

タイミング療法で自然妊娠を試みていたが、ご主人の精子数や運動率があまり良くない。体外受精をする運びとなった。体外受精を始めてから5ヶ月目に陽性反応あり。奇形や流産を防止する漢方薬を服用頂いたが、心拍は確認出来なかった。

その後、更に5ヶ月後、無事に妊娠する事が出来た。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方治療歴」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。