患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。

漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、太陽堂漢薬局での実際の症例を毎月御紹介致します。 患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。

(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【 後縦靭帯骨化症 】と漢方症例報告

40代の後縦靭帯骨化症のご婦人 

(昭和31年生、女性。No.1278)

40代後半の婦人より、後縦靭帯骨化症(OPLL)の相談を受けた。

足がだるく、背中が痛い。背中の痛みは骨化周辺の骨の損傷によるものと筋肉の凝りからきているように思われた。

問診と糸練功により漢方薬を選薬。漢方薬と併せて、ストレッチをする事をお勧めした。

漢方薬を飲み始めて2ヶ月後、背中の痛みが日によって肩や腰、右足へと変わるとの事。患者さん自身は「骨化からではないか」と心配なご様子だったが、糸練功にて少陽病位の水毒証を確認。自律神経のアンバランスではないかと思われた。自律神経を整える漢方薬も追加。

それから約20日後、病院で検査した結果、骨化は進行していないとの事だった。

漢方を内服し始めた頃、骨化本体の証は1合だった。4ヶ月目には6合まで改善されて来たので、筋力を付ける運動を少しずつ始めるよう指導した。

更に1ヶ月後、左手に痺れが出てきた。糸練功で確認すると心の臓の陰証が出現。骨化による影響と思われる。1ヶ月間、手足の痺れ感に対して煎じ薬を追加した所、痺れ症状は弱くなった。

漢方治療を始めて1年後、骨化本体の証は9.4合まで改善。骨化の症状よりも肩凝りが強いようだった。症状が強い時は飲んでいる漢方薬の量を増やして対応して頂く事とした。

それから半年後のMRI検査でも骨化は進行していなかった。

頚椎胸椎後縦靱帯骨化症 

(昭和30年生、女性。No.2366)

健康013

歩きづらく、外出では杖を使っている婦人から相談を受けた。

胸から足に痺れがあり、特に両足の痺れが強い。一般的に胸椎の手術はリスクが高く、麻痺が出てから行うとの事。

糸練功にて、骨化症に共通する証を数箇所確認した。

漢方治療か手術をするか迷っていたが、先ずは3ヶ月漢方薬を続けてみるとの事。

2ヶ月後、痺れの状態が以前と変わってきた。

6ヶ月後、朝はとても調子が良いとの事。冷たく感じる痺れはまだあるが、悪くはなっていない様だとの事。

9ヶ月後、午前中は調子が良いが、夕方からだるさや痺れが辛くなる。しかし、日によって症状が強い時と弱い時が出てきた。

11ヶ月後、骨化症と診断されて丁度一年が経った。少しずつ確実に良くなっているとの事。外出も杖なしで歩けるようになった。今ではトイレも伝い歩きもせず行けるようになったと言われた。

後縦靭帯骨化症-早い段階で漢方治療を始められた骨化症の男性 

(60歳代、男性。No.1454)

風景066

60歳代の骨化症の男性から相談を受けました。

来店2週間前に左指と左足裏の痺れや左肩の痛みで整形外科を訪ねた所、後縦靭帯骨化症と診断されたそうです。

糸練功でチェックすると、骨化症特有の知覚神経の問題と思われる五志の憂を含め5箇所の治療ポイントが確認されました。

骨化症がまだ初期の状態だったためか、または発見後すぐの治療だったためか、骨に作用して痛みを除く目的の漢方製剤と下肢痛に対する粉薬量が通常の半分量・・など多くの骨化症相談者に比べ比較的に漢方薬の量は少ない様に思えました。

2ヶ月後、痺れの感覚が軽減。漢方治療開始3ヶ月以内で変化が見られ幸先の良いスタートが切れたと思われました。

順調に改善はしていたものの寒さの影響により首がカチカチに凝り、左肩・腕にかけてはビンビン痺れたり痛みが出てきたため、糸練功でチェックすると経筋の証が2合弱に確認されました。おそらく寒さが増したために筋肉が強張り痛みを引き起こしているのだと思われました。

9ヶ月を過ぎた頃、季節は春を迎え、痛みが強かった首から左腕の痛みも軽減し痛みも殆どない状態にまで改善されてきました。

この痛み痺れの消失と共に調子の良い日が続き、糸練功の合数の改善もよりスムーズになってきました。

気候が暖かくなると、骨疾患は非常に改善しやすくなると思われます。現在は8合以上に改善されており、再発防止も視野に入れた治療内容に変更して治療を継続されています。

手術で改善しなかった後縦靭帯骨化症の女性 

(昭和18年生、No.2058)

健康134

難病である靭帯骨化症が改善したので報告する。

患者さんは4年前より靭帯骨化症で苦しんでいる。3年前に頚椎手術をしたが改善せず、首から肩への痛みと凝りが強い。足の回転が上手くいかず歩行も不自由である。

現在病院より鎮痛剤ペオン、筋弛緩剤シオナール、VB剤メチコパールが投薬され服用中である。

糸練功でチェックすると、5合に頚椎、3合に脊椎の靭帯骨化症、筋肉の収縮が1合、また靭帯骨化症部分に風毒6合が確認される。

薬方は靭帯骨化症に対し慢性的な神経痛に対する煎じ薬と橙の皮を主成分とした経気を巡らすR青皮製剤、筋肉の収縮に対する煎じ薬、風毒には免疫力をつける粉剤が適合する。同方を投与する。

1ヵ月後、首が回り痛みも減少し、本人は大喜びである。糸練功でのチェックでは靭帯骨化症は5.5合・4合に、筋収縮は2.5合、風毒は7合に各々改善が見られる。

3ヵ月後、糸練功でのチェックでは、靭帯骨化症は7.5合、筋収縮は9合、風毒は9合に各々改善。

8ヵ月後、糸練功でのチェックでは靭帯骨化症、筋収縮、風毒すべて10合に改善。治療終了が近づいていると思われる。患者さんは靭帯骨化症による自覚症状が全て消失し、クルクル回り「こんなに動けるようになった」と喜んで動いて見せて下さった。

後靭帯骨化症で標治部にR青皮製剤証、本治部に風毒が確認出来たのは今後の治療に大きく役に立つと思われる。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方治療歴」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。