反鼻(ハンピ)をご紹介

日本漢方の原料である漢方生薬と有名な民間薬をご紹介します。

初めての方から専門家まで参考になるよう、気味・帰経・効能・適応とする体質と処方例・民間療法をご紹介。

反鼻(ハンピ)

マムシの内臓を除去した後の全体を用います。

薬としては現在では、殆ど韓国産のマムシが使用されています。

薬材として使う場合は、皮をはいで棒状にしたものを反鼻あるいは五八霜と言います。

皮付きのまま蒸して円盤状にしたものを「マムシの蒸し焼き」と呼びます。

マムシのヘビ毒は、血液毒成分と神経毒成分が含まれて血液循環障害や出血、壊死、浮腫などが出現します。

気味・薬味薬性

味は甘、性は温、有毒あり

効能

腫れ物や皮膚の痺れに用います。

痔疾(痔ろう)や腹痛に用います。

適応とする体質と処方例

  • 健忘症やうつ病など放心状態に用います。処方例:反鼻交感丹(ハンピコウカンタン)

枇杷葉(ビワヨウ)をご紹介

生薬-枇杷葉

枇杷葉(ビワヨウ)は名前の通り、ビワ(バラ科)の葉を乾燥したものです。

葉の形が楽器の琵琶に形が似ているのでこの名を得ました。

葉を薬用に使用する時は、葉の裏側の白い薄毛を取って使用します。

気味・薬味薬性

味は苦、性は平

帰経(東洋医学の臓腑経絡との関係)

肺・胃

効能

肺熱・胃熱を冷ます常用薬です。

止咳、止嘔作用の他、食中毒や下痢にも用います。

適応とする体質と処方例

  • 夏負け、夏の病気予防の為に、昔から飲まれていました。処方例:枇杷葉湯(ビワヨウトウ)

民間療法

  • 汗疹に〔外用〕葉を約3枚分ちぎり、500ccの水で煮出し、冷めた汁で患部を洗う。
  • 打ち身・捻挫に〔外用〕葉を約30枚を水洗いして、1cm程に刻み、水気を取ってから広口瓶に入れ、ホワイトリカーを葉がヒタヒタになるまで注ぎ、2~3週間置いて漉し、これを脱脂綿に浸して患部に当てる。その上に乾いたタオルを乗せ、更に暖炉で暖める。前もって作っておくと便利である。
  • 咳止め・暑気あたり・胃腸病に〔内服〕葉を2枚ちぎり、400ccの水で1/2量まで煎じ、適当な時に飲む。
  • 疲労回復・食欲増進に〔内服〕果実1kgを水洗いし、水切りしてからホワイトリカー1.8Lにグラニュー糖150gと一緒に漬け、3~6ヵ月後に漉してビワ酒に。1日3回、20ccずつを飲む。

白芷(ビャクシ)をご紹介

生薬-白芷

ヨロイグサの根を白芷として使用します。

春か秋に根を取り、洗って土を取り去って皮をむき、日に当てて乾燥させ、そのまま刻みます。

また3mm程度に切って、石灰を混ぜて乾燥させ虫害を防ぎ保存しておき、使用する際によく石灰を洗って刻んで少し焙って使います。弱い火では効力に関係ありませんが、強い火では成分を害するので注意しましょう。

気味・薬味薬性

味は辛、性は温

帰経(東洋医学の臓腑経絡との関係)

肺・胃

効能

アレルギーによるH型物質を散らし中毒症を軽減します。

熱っぽく感じる血行不良の出血に良いです。

血行をよくし化膿症体質を改善させていきます。

適応とする体質と処方例

  • 身体の上部(頭・顏)の弱い熱によって起きる逆上せ・にきび・頭部湿疹を治します。処方例:清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)

白朮・蒼朮(ビャクジュツ・ソウジュツ)をご紹介

生薬-白朮・蒼朮

中国ではオオバナオケラを、日本ではオケラを使用しているところから、中国産の白朮を唐白朮、日本産を和白朮と区別して呼んでいます。

中国の一部の地方では日本産のオケラを蒼朮として使用しているところもあります。

基本的には、白朮はオケラの根茎、蒼朮はホソバオケラの根茎を用いています。

蒼朮は気味辛烈であるが、白朮は僅かに苦く辛いのが特徴です。

気味・薬味薬性

味は甘、性は温、微香あり

帰経(東洋医学の臓腑経絡との関係)

脾・胃

効能

発汗作用があります。特に前額部の痛みに用います。

止痛作用があります。頭痛や歯痛、筋肉痛に用います。

排膿作用があります。化膿性の疾患に用います。

消炎作用があります。婦人の帯下に用います。

白朮は、胃を強くして食欲を促進させる作用が強いです。蒼朮は、発汗作用があり熱を下げ、胃内停水を除く作用が強いです。

適応とする体質と処方例

  • 胃腸が弱く冷え症で、ことに手に冷える人が、始終頭痛、頭重感、眩暈を訴える方。処方例:半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)

民間療法

  • 白朮を健胃・整腸に〔内服〕乾燥した白朮10gを1日量として、水200ccで半量に煎じて3回に分けて食前に服用する。胃の中に水が溜まったような感じがする時に良い。

白斂(ビャクレン)をご紹介

生薬-白斂

中国産のブドウ科のつる性の落葉低木、カガミグサの根を用います。

日本には江戸時代に薬用として渡来しましたが、カガミグサの学名にはヤポニカとなっています。

野ブドウの仲間で秋になると白、紫、青など色とりどりの球形の液果がなって美しいため、観賞用として栽培されています。

根は紡錘形に肥厚し、中が白いためにビャクレンと呼ばれています。

気味・薬味薬性

味は苦、性は微寒

帰経(東洋医学の臓腑経絡との関係)

心・胃

効能

皮膚化膿症や腫れ物、火傷、ただれの清熱解毒に用います。

腫れ物や打撲傷、火傷の止痛に用います。

適応とする体質と処方例

  • 昔から血液循環器系用薬として使われてきた薬です。
  • 血圧異常や精神・肉体疲労、脳卒中後遺症予防などに広く使われています。処方例:牛黄清心元(ゴオウセイシンゲン)

参考文献・出典

  1. 漢薬の臨床応用 神戸中医学研究会 訳・著
  2. 近代漢方薬ハンドブック(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ) 高橋良忠 著
  3. 漢方のくすりの事典 鈴木洋 著
  4. 薬徴 吉益東洞 著
  5. 中薬大辞典 小学館
  6. 薬草カラー図鑑1~3 主婦の友社
  7. 平成薬証論 渡邊武 著
  8. 本草綱目 李時珍 著
  9. 医心方 食養篇 丹波康頼 著
  10. 中国の薬用菌類 劉波 著
  11. 薬草の詩 鹿児島県薬剤師会
  12. 和漢薬の良否鑑別法及び調整方 一色直太郎 著