患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。

漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、太陽堂漢薬局での実際の症例を毎月御紹介致します。 患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。

(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【花粉症・アレルギー性鼻炎 】と漢方症例報告

花粉症-慢性化した鼻炎

(昭和43年生、男性。No.275)

30代の男性より鼻炎の相談を受けた。中学生の頃から患っている鼻炎で長く苦しまれていた。

鼻炎は東洋医学では「水毒」の状態である。もう少し細かく分類すると「溢飮(いついん)」の状態になる。「溢飮(いついん)」は名前の如く、水分が多く溢れている。(涙、鼻炎、痰、汗、浮腫・・・等)

加えて「溜飲(りゅういん)」=胃内停水を呈している場合もあるのだが、その場合は「水毒」がかなり強い状態になる。漢方治療では、小青竜湯や苓甘姜味辛夏仁湯を用いて「溢飮(いついん)」を改善する。鼻炎が長引き、炎症が出てくると、漢方薬は「上焦の炎症」を抑える葛根湯加川芎辛夷や葛根湯加桔梗石膏等を用いる。

慢性的に炎症が続くと、より「熱」をとる荊芥連翹湯へ。慢性炎症がかなり長引くと、鼻の内部が硬くなり、鼻たけ(足裏に出来るタコのようなもの)が出来始める。このような状態には排膿散及湯を頻用するのだが、治療にも非常に時間を要する。

相談当初、「水毒」を改善する漢方薬を1ヶ月間内服の後、「上焦の炎症」を抑える漢方薬へ切り替えた。治療途中、頭痛や喉の腫れも出てきたのだが、発表(発散)の働きのある粉剤(MDR製・太陽堂にて開発)+「上焦の炎症」を抑える漢方薬でいずれにも対応する事が出来た。合数が安定してくると、自覚症状の改善も毎月ごとにみられるようになってきた。だんだん良くなってくるのを実感出来、大変喜ばれていた。再発防止の為、10合±を保った後、漢方治療を終了した。

アレルギー性鼻炎の女性

(昭和40年生、女性。No.2105)

健康216

アレルギー性鼻炎の相談。くしゃみ、鼻水、鼻閉の症状。

糸練功でCheckすると、左下焦・膀胱1.5合Ⅴに、上焦の炎症が出やすい体質のアレルギー性鼻炎がある。利水製剤、アレルギー体質を改善する粉薬が適応。右上焦4合+(1)に慢性炎症が長引く原因での蓄膿症あり、曲参製剤が適応。

蓄膿症は+(1)で程度が軽いため様子を見る事とする。利水製剤2Hと利水作用のある補助剤4Pを投与。

15日目、左下焦・アレルギー性鼻炎は3合に改善。自覚症状の改善はまだ無く鼻炎の状態が続いている。

45日目、アレルギー性鼻炎6.5合Ⅰに改善。症状もわずかに改善が見られる。同時に蓄膿症も6.5合+(3)に改善。

4ヶ月目、アレルギー性鼻炎8.5合+(1)、蓄膿症8合+(1)に改善。この頃より症状が殆ど消えてくる。

5ヶ月目、アレルギー性鼻炎9合±(1)、蓄膿症10合±。鼻炎、蓄膿症共症状は全て消失する。

蓄膿症の治療はしないにも関わらず、蓄膿症は改善治癒した。これはアレルギー性鼻炎の刺激によって起こっていた蓄膿症だったと思われる。その為、アレルギー性鼻炎の改善と共に蓄膿症が改善したのではないかと推測される。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方治療歴」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。