患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。

漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、太陽堂漢薬局での実際の症例を毎月御紹介致します。 患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。

(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【 自律神経失調症 】と漢方症例報告

自律神経失調症-鬱症状の伴う不定愁訴 2001年4月

(昭和31年生、No.2055)

自律神経失調症による不定愁訴を訴えての相談を受けた。現在病院で安定剤の投薬を受け服用しているが、良くならないとの事で相談に来られた。

患者さんは多彩な症状を訴えられた。不眠症、両方の肩こり、立ち眩み、足がガクガクする、疲労感、車を降りると動悸がするなどである。生理痛があり、便秘がちである。手掌は発汗し交感神経の興奮が強いと思われる。また朝方は調子が悪く鬱証に特異の日内変動が見られた。

問診・望診の結果、眼瞼粘膜は充血し、口乾がある。便秘がちで尿の回数が少なく、舌診ではやや潤、微白苔。少陽病位虚証と思われる。

糸練功(気功)で調べると、東洋医学の腎の臓に五志の憂(自律神経の異常)、三焦の腑に便秘、肺の臓に生理痛を各々確認した。生理関係と自律神経に関係が認められないため、治療は腎の臓だけとした。

腎の臓1合Ⅴ。自律神経の異常を改善する煎じ薬を主方に、Bミネラル製剤を補助として投与。

15日後、 2.5合Ⅱに改善。

1ヶ月後、 4合Ⅰに改善。症状の改善が少しづつ始まる。

1ヵ月半後、病院から投薬されている安定剤の服用を本人が中止したと仰った。

3ヶ月半後、少しフワフワする眩暈があるとの事。

4ヵ月後、 7合+(2)に改善。非常に調子が良くなってくる。

10ヵ月後、 10合±に改善。以前の症状は消失し、ほぼ自律神経失調症の治療終了となる。

交感神経緊張による手足の冷え・手掌汗

(昭和33年生、男性。No.6202)

以前、腰痛の治療を行っていた男性より手足の冷えと手掌汗の相談を受けた。

手足の冷え・手掌汗の原因はいくつか考えられるが、この患者さんは、交感神経の緊張によって末端の冷えを生じる「四肢厥逆」(ししけつぎゃく)の証が出現していた。

漢方薬を飲み始めてすぐ、気分的に冷え・汗が軽くなった感じがする。

服用開始から3ヶ月後、「緊張した時に手足が冷えて、冷や汗が出る。頭部が痺れる事もある」と訴えられた。ストレスで交感神経が興奮すると、手足の冷え・汗だけでなく血管内では血栓が出来やすくなる。血栓予防の食養生をお伝えした。また、この時点で糸練功の合数は7.1合の状態。2~3ヶ月すると症状は安定してくると思われた。

それから2ヶ月後、緊張した際の手足の冷え・手掌汗や冷や汗は弱まっている。緊張そのものも弱まって来た。後を追う様に頭の痺れも落ち着いて来た。漢方薬を2/3量へ減薬した。

順調に改善が進んでいたが、仕事で緊張すると頭が痺れる。鎮静作用のある生酸棗仁を追加した。

漢方薬を2/3量に減らしてから4ヶ月後、更に1/2量へと減薬した。

精神的な状態は落ち着いている。性格的にとても人に気を遣う体質をお持ちで、緊張やストレスでまだ手足の冷え・汗がある。体質に合った食養を実践され、再発防止の段階まで到達。治療終了となった。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方治療歴」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。