患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。

漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、太陽堂漢薬局での実際の症例を毎月御紹介致します。 患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。

(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【 痛みと痺れ 】と漢方症例報告

肉離れから五十肩になったご婦人

(1964年生、女性 No.976)

右肩の痛みを訴える婦人から相談を受けた。以前、テニスで右肘を傷めた事があり、鍼灸治療に通い随分良くなられたとの事。完全ではないけれど、かなり良くなったのでテニスを再開。右肘をかばって変なフォームでサーブを決めた1本で右肩を傷めてしまった。

右肩を押すと部分的に前横後ろとも痛みがあり、大きく回せない。横になった大の字から右手が上がらず、朝方痛みで目が覚める事もある。

糸練功にて確認したところ

  1. スポーツ性筋肉障害
  2. 右肩関節症

2箇所の反応があった。②右肩関節症は、五十肩によるものか?通常の関節症なのか?どちらの可能性もあった。

病院でMRIの検査を受け、右肩関節症は「肩インピンジメント症候群」との診断を受けた。腱板の上の骨に出来た骨棘(こっきょく)を取る手術をする運びとなった。無事、全身麻酔の手術を終えて、肩の痛みは傷める前の状態とほぼ同じくらい回復した。

漢方薬は、②右肩関節症の治療を終了し、①スポーツ性筋肉障害の治療のみ行う事とした。

手術から1ヶ月経過。痛みはなく順調なご様子。リハビリ(筋力トレーニング)と漢方薬を続けて、肩の可動範囲は怪我をする前と同じ状態になった。

更に3ヶ月後、ドクターからの許可を得て、出来るだけ肩に負荷をかけないフォームでテニスを再開する事が出来た。「肩周辺の同じ筋肉を使い過ぎない」「全身の筋力を強くする」事に気を付けながら、更に半年間漢方薬を続けて治療終了となった。

左手指の痺れを訴えるご婦人

(昭和21年生、女性 No.5469)

左手薬指の痛みと左手全体の痺れの相談を受けた。痺れが気持ち悪く、いつの間にか手を擦っている。どうにかならないかと訴えられた。

糸練功にて、左手薬指の痛みに「水毒+血毒」の証を確認。老化の一つと思われる。左手の痺れは、頚椎3番目が原因と思われた。

当薬局で開発した、骨や軟骨に働きかける漢方製剤に、血毒の痛みを取る生薬を合わせて、痛み・痺れどちらにも対応出来る薬方を組んだ。養生として、薬指のストレッチも大切な事をお伝えした。

漢方薬服用開始から1ヶ月後、痺れは良くなって来たが、痛みはまだある。

それから1ヶ月経過した頃、痛みも和らいで来た。

更に1ヶ月後には雑巾を絞れるまで回復。症状は順調な改善がみられたが、関節の変形が気になるとの事。水毒の痛みを取る生薬も組み合わせた。

新たに右胸や背中の痛みが出現。こちらは胸椎4番目が原因と思われた。服用中の漢方薬に骨を強くする方位を強める事で一緒に改善すると思われた。

左手の痺れは全く出ない状態が続いている。右胸の痛みは日を追う毎に回復し、3ヶ月後には右胸を抑えても痛みは無くなって来た。

かなり良くなって来たので、漢方薬の1日量を半分量へ減薬した。

漢方薬の減薬から1ヶ月後、頚椎3番目と胸椎4番目の治療終了。

4ヶ月後、第1~第3関節に反応があった左手薬指の状態も再発しないレベルに到達。1年3ヶ月間の漢方治療終了となった。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方治療歴」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。