患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。

漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、太陽堂漢薬局での実際の症例を毎月御紹介致します。 患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。

(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【 痔核(いぼ痔) 】と漢方症例報告

いぼ痔-妊娠・出産後の内痔核 2008年4月

(昭和49年生、女性。No.393)

妊娠時に内痔核を発症、その後一時的に改善されたが、また発病された女性から相談を受けた。肛門全体が腫れたようになったり、肛門の一部が盛り上がったようになったりするという。

肺経0.2合甲字湯加黄芩薏苡仁証の痔核のような状態、脾経0合補中益気湯加赤石脂証の脱肛のような状態、心包経0.2合大甘丸証の便通の状態を確認。灯盞花製剤、丹参製剤、〇〇を瘀血改善目的で、また便通に対しても漢方をお出しした。

1ヵ月後、脱出と肛門の腫れ感が減り、排便も楽になり、気持ちよく過ごされている。2ヵ月後、肛門の腫れはなく、イボがかなり小さくなったが、生理前後は少し症状改善が後退。3ヵ月後、生理後は特にひどく、脱出状態。米粒半分くらいの新しいイボが増えた。4ヵ月後からは脱出がなくなり、その後は良い状態を維持され、7ヶ月経った現在は1ヶ月で2、3日、排卵や生理前後辺りで少し腫れる事がある程度となった。

出産後に痔で悩みながらも、どこにも相談できず悩んでいる女性はとても多い。痔核は肛門部の瘀血が関係しており、妊娠中や生理前は当然下腹部に瘀血が溜まる為、同じ下腹部の瘀血が原因である痔核も悪化しやすい。この方は痔核が原因の脱肛であった為、まず原因の痔核から治療を開始した。妊娠中の場合は痔に対する積極的治療はできないが、出産まで少しでも症状が軽く済むよう、また産後は産後の肥立ちと併せて漢方治療を行い、順調な経過を示されている方も多い。

いぼ痔-痔核の男性 2008年2月

(昭和35年生、男性。No.3956)

漢方養生117

平成19年の夏に来福するという事で初来局されました。

症状は排便時に軽い出血及び痔核の突出。痔核を戻す時は痛みがあり、その痛みが持続するという事でした。最近になって痛みがかなり強くなり、以前から歩く運動も出来ない状態なので、痔核の完治を目指したいと仰っていました。

糸練功でチェックした所、主な原因として考えられるものとして、乙字湯証を確認しました。症状が出てから油物やお酒も控えているという事でした。それでもお酒はほぼ毎日飲んでいるとの事でした。

痔核の症状は食養生や便の状態と深い関係がある事を説明し、ご理解された上で実践して頂きました。漢方治療一週間後には便の状態はかなり改善され、痛みも相当緩和したという事でした。

その後も便の状態や痛み、イボの大きさは改善へ進んでいます。こちらの男性は食養生もしっかり実践し成果も上がり、改善のスピードが早いです。合数がまだ低めなので、これから先まだ症状の波があると思いますが、養生をしっかりと続けていく事で症状の波が穏やかになるのは早いでしょう。

どの痔にも言える事ですが、肛門部の疾患は特に食事による影響が強く、毎日異なる食事によって症状が常時左右されています。

より早い改善には、きちんとした養生をした上で漢方治療をする事が必須であるという事を改めて実感した一例です。

いぼ痔(内痔核)-手術の対象20年前から 2015年2月

(昭和21年、男性。No.4610)

病245

20年前から痔の症状があり排便時に出血がある男性。病院からは内痔核Ⅱ~Ⅲ度の間と診断され、手術の対象だった男性から相談を受けました。

糸練功にてお調べした所、桂枝茯苓丸証を確認しました。痛みや出血もあり進行している為、食事での御養生がとても大切とお伝えし、アルコール・刺激物は特に気を付けて頂きました。

漢方治療3ヶ月頃から痛みが軽くなり膿(痔ろう)や汁は少し出ますが、状態が良くなってきました。

その後も状態良く改善して行きましたが、お仕事などのストレスにより痛みが出てしまう症状が出てきました。清熱作用のある薬味を加える事で翌月には症状が治まりました。毎月薬味の微調整をする事で良い状態を維持されました。

痔核の状態が進行していた事もあり、とてもゆっくり改善して行きましたが、症状が出なくなっても痔はしつこい為、漢方で再発防止に努めて頂きました。

1日2回を1回に、正式処方を補助剤に、症状が軽くなるにつれ漢方薬の分量を減らしました。

症状が安定した状態を維持された為、更に少しずつ漢方薬を減らしました。

最終的には2日で1包の状態で、症状が安定した為、無事に漢方治療を卒業する事となりました。

漢方治療を初め6年掛かり、順調では無かったが漢方薬を続ける事で治癒した漢方治療の一例です。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方治療歴」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。