患者さんとの「かけ橋」です。漢方相談

太陽堂漢薬局の患者さんに、毎月お配りしています。

漢方治療を少しでも御理解して頂きたく、太陽堂漢薬局での実際の症例を毎月御紹介致します。 患者さんにとって、少しでも御参考・励みになれば幸いです。

(注;東洋医学で言う臓腑経絡は、西洋医学の内臓とは異なります。)

【 脱肛 】と漢方症例報告

脱肛で悩むご婦人 2002年6月

(昭和31年生、女性。No.2202)

脱肛の相談を受けた。

患者さんは出産後より脱肛が始まり、排便の時は必ず脱出するそうである。出血と痛みが酷いと訴えられる。

問診の結果、血圧は最高96・最低50、低血圧症である。生理は順調で生理痛も無い。冷たい物を摂ると下痢をし易い、あまり汗は掻かないそうである。舌診では薄い白苔があり、やや湿り太陰病位を窺わせる。

糸練功で確認すると太陰脾の臓1合Ⅳに脱肛が確認される。また陽明大腸の腑3合Ⅰに神経症も確認される。

脾の脱肛に対し脾虚改善剤と肌や筋肉に弾力をつけるC××製剤を、大腸の腑・神経症に対しては自律神経のバランスを整える漢方薬を選薬する。

15日後、脱肛3Ⅰ、神経症5+(3)に急激に改善が始まる。

3ヵ月後、脱肛6+(2)、神経症9±(1)。

4ヶ月後、脱肛8±(1)、神経症10±(1)に改善。自覚症状の脱肛もこの頃より殆ど無く なってくる。

7ヵ月後、脱肛9±(1)、神経症10±。脱肛は消失し、自覚症状は全く無くなる。

その後、再発防止の爲に10合±まで漢方治療を続けた。

脱肛は、痔核と同じ痔の分野ではあるが、原因は全く異なる病態であり脱肛は内臓下垂の一つとして考えると治療しやすい。また、脱肛は漢方の得意分野の一つである。

最後に

東洋医学の治療は、西洋医学と異なり体質改善や原因療法の傾向が強いです。それだけに、効果の出る時間に個人差があります。「かけ橋」・「多くの漢方治療歴」が、患者さん同士の希望に繋がることを願っています。